努力論 (岩波文庫) 2001/幸田 露伴 (著) 「生年月日の数字を研究し続けて、ようやく把握することができた私の運命観は、「人生は何事も時期である」ということであった」金子 彰生

何をもって幸福とするのかという難問があるが、私が今まで読んできた中で最良の「幸福入門書」だと言えるかもしれない。
根底に老荘思想がある。

 

全部すごいが、いちばん私が感銘を受けたのは、中での「分福論」である。
誰しも一度は、この時は何をやっても好調だった、競輪でツキまくり、ボートレースで勝ちまくり、競馬で当たりまくり、といった時期があるものである。
そんな時には、福を敢えて他人に分け与えることが大切であると著者はいう。


今は亡き、渡辺昇一先生もこの本が大好きだったらしく、解説書を書かれている。併せて読んでいただきたい。

幸田露伴に学ぶ『努力論』」 CD – 2021/7/7
渡部昇一 (著)
・100年に一度の頭脳の持ち主と謳われた幸田露伴の歩んだ道
・私と『努力論』との出逢い
・東洋哲学に則って考えた
運のいい人と悪い人の違い
豊臣秀吉石田三成が家臣に対して発揮した「分福の精神」
・戦後の日本で根こそぎ奪われた「植福の精神」

 

幸田露伴の語録に学ぶ自己修養法 2011/渡部 昇一 (著)
幸田露伴の「幸福論」から渡部昇一氏が選んで自らの体験、考察を述べている。

「惜福、分福、殖福」の説明とその大切さから書き出しは始まる。

 


2023-03-06
「社会はすべて数から成り立っている」ピタゴラス 数霊―数が決める運命 昭40 金子 彰生 (著) オリオン社
https://tennkataihei.hatenablog.com/entry/2023/03/06/041153

この本を取り上げたらコメント欄から、この本を古本屋で買い、読んでみたら、計算方法が難しすぎるという問いかけがあった。

 

著者、金子 彰生氏は明治34年(1901)1月26日東京日本橋に生まれる。
大正15年(1926)1月16日、箱根登山電車脱線転落のさい乗り合わせて遭難、多数の死者の中でただ一人の無事生存者となる。
その後「生と死」に深く興味を覚え、山田耕筰先生の『生まれ月の神秘』を読みますます興味を覚える。以後、数に憑かれたように、数の神秘に取り組み、数の権化となり研究に没頭し、「数と運命の研究」のまとめに専念する。

 

死者17名の大事故でただひとり、ほとんど無傷で助かったのがこの本の著者である。
著者が特異なのは、たったひとり生き残ったことの理由を27年間も追求したというところだろう。世界で今もどこかで事故は起きてるだろうが、その原因を外部的要因以外で探そうとする人はいないだろう。

 

↑この人のことはもっともっと知られてよいと、取り上げたのだが、この人は、人の幸福は、時期である、と言い切っている。
死者17名の大事故でただひとり、ほとんど無傷で助かったのは、時期が良かったからだと言い切っている。

計算の仕方が面倒だし、この本を読んでなるほど実人生に応用するとなると難しいだろう。

たとえば1年間を生きてみて、この月はついてる、この時期は行けてると感じられる月がどんな人にもあるものである。
その好調だった月を覚えていたらどうだろうか。

例えば、その人は2月と6月に良いことが集中的にあったなら、翌年も、2月と6月に新しいことを始めてみるとか、この月に大きな事業を始めてみようかなとか、なにも大きなことでなくとも旅行でもいい。

 

まさしく、死者17名の大事故でただひとり、ほとんど無傷で助かったのがこの本の著者・金子 彰生氏だから、時期というのは大切である。
自分が助かったのは、ただただ時期が良かっただけだと金子 彰生氏が言い切っているのだから。