ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」(リスト編曲ピアノ版)(期間生産限定盤)グレン・グールド (アーティスト) 形式: CD 2016年

グレン・グールドの弾くベートーヴェン交響曲第5番「運命」は長らく私のベスト愛聴盤である。

特に第2楽章、アンダンテ・コン・モトと第3楽章、スケルツォ アレグロが素晴らしい!

音が際立っている。
この演奏にどっぷりはまっていてもはや、オーケストラ版を聞こうとは思わなくなっている。

長大な第2楽章(14分ある)には、2度盛り上がるところがある。
ひとつひとつのフレーズがまた神がかった旋律の連なりである。

 

音楽好きの友人から、おすすめのCDを聞かれ、グレン・グールドの「運命」をあげて、ピアノ一台で「運命」を演奏するの? という会話を何度したことだろう。

しかし、よくよく考えてみればベートーヴェンは愛用のピアノでこの曲をつくったのだ。
だから、私たちは、ベートーヴェンがこれを弾いていると思えばいいのだ。

 

58年の生涯で、生涯で50回を超える引っ越しをしたというベートーヴェン。その愛用のピアノは調子外れのホンキートンクピアノに近いものであったろう。

マカロニにチーズをかけたものが大好物だったベートーヴェン
ワインも好きだったベートーヴェン。好きなワインは安物のトカイワインだったベートーヴェン

金銭苦のうえに難聴を患っていたベートーヴェンがあまりいい暮らしをしていなかったのは事実であろう。

とはいえ、名高い音楽エッセイのなかで、特に著名なこの部分に異論がある。

 

五味康祐 音楽巡礼(新潮文庫Kindle版1981/9/1

「若者の時代に、ベートーヴェンの第五交響曲「運命」を通るか、モーツァルトト短調シンフォニーを知るかはその人の育った環境に拠るところ大と、今でも思っている。貧乏人ほど、より「運命」に共感しやすい素地があるのではないかと…」

 

↑ご自分の貧乏話がおもしろいが、そうではないと私は思う。例えば、政治学者の丸山真男ベートーヴェンフルトヴェングラー)が特に好きなことが私でも知ってる。

そうではなく、ベートーヴェンの曲そのものが、貧乏、生活苦より生み出されたものと思えて仕方がない。
とくに「運命」の第2楽章はそうだ。

やるしかない、前を向くしかない、そう言っているように私には聞こえる。


 ベートヴェン交響曲第5番「運命」 グレン・グールド:ピアノ
関雅行 チャンネル登録者

https://www.youtube.com/watch?v=Llo6oYa1Lrs

 

ピアノの大作へと変貌を遂げたベートーヴェン交響曲に、鬼才グールドが挑む。
フランツ・リストは、ロマン派を代表するヴィルトゥオーゾ・ピアニストでもあったが、ベートーヴェン交響曲を大胆にもピアノ演奏用に自ら編曲し、多彩なオーケストラの音響を1台のピアノで表現することを可能にした。20世紀カナダの鬼才ピアニスト、グレン・グールドは、こうしてピアノの大作へと変貌を遂げたベートーヴェン交響曲第5番「運命」を1967年から68年にかけて録音、話題をさらった。


グールド:弦楽四重奏曲/ワーグナー:ジークフリート牧歌 他 グールド(グレン) (アーティスト, 指揮, 演奏), & 4 その他  形式: CD 2007/11/7
Beethoven/Wagner: Symphonies N  Gould, Glenn (アーティスト)  形式: CD 2012/8/28

ジークフリート牧歌 グレン・グールド
Wagner - Siegfried Idyll - Glenn Gould transcription
https://www.youtube.com/watch?v=FIjesjmMq_g