土偶を読む――130年間解かれなかった縄文神話の謎 – 2021 竹倉 史人 (著) 晶文社 ・縄文時代に大量に作られた素焼きのフィギュア=「土偶」。 日本列島においては1万年以上前に出現し、2千年前に忽然とその姿を消した。 現代までに全国各地で2万点近くの土偶が発見されている。

130年間解かれなかったという縄文土偶の謎を全面的に解き明かすことに著者は成功している。
鮮やかである。語り口もわかりやすく丁寧でよい。
世評も高いようだ。

土偶は食用植物と貝類をかたどっている」

言われてみればそうだ。
縄文人たちがそんなに難しいことを考えていたわけはない。

 

「私は土偶解読と並行して国立国会図書館に通い、これまでに自分と同じような説を唱えた人がいないか過去の文献をチェックするということをした。
明治期以降に書かれたほぼすべての土偶関連の論考に目を通したが、そのような人は一人も見当たらなかった。
しかし、これはよく考えてみると、とても奇妙なことであった。
たとえば椎塚土偶。ハマグリの形にあれだけそっくりな頭部をもつ土偶が、大量のハマグリが堆積する遺跡から見つかっているのである。誰か一人くらい「あれ? これってハマグリに似てない?」というひとがいてもよさそうなものではないか。

 

著者の問題意識、暴露?は深すぎる。
「ところが私が自らの研究成果を発表しようとすると、関係各所から「考古学の専門家のお墨付きをもらってきてください」とストップがかかるようになった。
これはつまり、「考古学者でもないあなたの土偶研究を信頼するわけにはいきません」という宣告であった。」

 

レビューをみると、否定的な意見で、

「オレの土偶論を一歩も出ていない」とか、「どう見ても土偶にはもっと深遠な世界があり、それが分からないから今まで皆で散々頭を悩ましてきたはずであろうに」とかエトセトラ。
みっともないから、おやめなさいと言いたくなる。
あなた、負けたんだよ。(笑)

 

この「土偶を読む」自体が、散々手紙の行方を探し回ったがどこにもなく、結局部屋の壁にかかった手紙刺しにあったという、

まるであのエドガー・アラン・ポーの「盗まれた手紙」みたいではないか!

ただ日本の歴史において、わかってはいないのはこれだけではない。
古墳がそうだ。なぜあんな大層なものが短い時間(400年?)に狭い日本列島に20万基も作られたのか?
解明した人はじつは一人だけいる。
まったく話題にもされていないが。
追々書いていきたい。