ピラミッドに隠された天文学(新人物往来社1993年刊行) 倉橋 秀夫 (著) 7つのピラミッドがそれぞれ太陽系の天体を表している

30年前に書かれた本(1993)で15年くらい前に手に入れて初めて読んで、以来繰り返している本だ。
レビューも多くない。完全に忘れ去られてるといったら失礼か。
その間、ピラミッド関連の書籍も読み漁った。
その上で、私の中ではピラミッド関連では本書がナンバーワンだ。もしかしてこの人凄い?と、思うに至った。以下に理由を述べてゆきたい。

 

現在、エジプトのピラミッドは80基が発見されているという。
ただ、私たちがイメージするあの砂漠の夕焼けのなか、悠然とそびえる3基のピラミッドは例外中の例外で大半は形が崩れ、単なる盛り土のような無残な姿をさらしてると。
不思議なのは、多くのピラミッドのうちでも、最も初期の時代に建てれらたピラミッドがとびぬけて規模が大きく、今なお保存状態が良いことであるという。
碑文(ヒエログラフ)で残されている文章、落書きを見ても細かく分析すると各王がピラミッドを建設したとは言えないという。
しかもなお、巨大ピラミッドに付設したように作られている河岸神殿などは後になって造られたという疑問が湧く。
本当にファラオが作ったのかという疑問である。
ここまでは、著者の意見にまったく同意する。

 

古王国の7つのピラミッドのことはご存知でしょうか。
7つのピラミッド 天体 で検索すると、ピラミッド 7つの謎としかでてこない(苦笑)。
結論から先にいうと、7つのピラミッドがそれぞれ太陽系の天体を表しているという。

第一ピラミッド(クフ王・地球)、第二ピラミッド(カフラー王・金星)、第三ピラミッド(メンカフラー王・火星)、
サッカラーのジョセフ王の階段ピラミッド(最古のもの)・水星、  
メイドムの「偽ピラミッド」、「異形ピラミッド」・月を象徴してると、
屈折ピラミッド(二つのピラミッドを合成したもの)・土星を表していると。
赤ピラミッドは、木星を象徴してるという。

 

有名なピラミッドのなぞなぞと言われるものがある。
「朝には4本足、昼には2本足、夕方には3本足で歩くで歩く動物は何か?」
答えは、よく知られているように人間である。赤ん坊の時は、四つん這いで歩き、大きくなると2本足で歩き、そして年を取ると杖を突いて3本足になるからだというのがそ理由とされている。ところがこのなぞなぞに出てくる(4,2,3)という数字には、実は、もう一つの意味が隠されている。思いがけないようだが、この数字には、そのまま太陽系第4惑星・火星、第2惑星・金星、第3惑星・地球を表していると考えられるという。

金星と地球の体積との比率が一致している。0.854…。
しかもこのまま、ほかの惑星と地球との比率も一致していると。
数値だけ見るならそのとおりである。

 

「こんな数字をみるとまったく不思議になる。これほどぴったりした値には肝を抜かす。大ピラミッドのような巨体に対して、どうしてこのような正確な値が出てくるのか。いったいどうしてこんな数字がでてくるのだろう。大ピラミッドの高さの上限をとれば、地球を赤道半径だけの完全な球としたときの体積に対応し、下限を取ると、地球の真の体積に対応するのである。このようなことがどうして可能なのか」
「…これは何かとんでもないことを意味している。エジプトに残されているピラミッドは、想像もつかない建造者によって建てられた、想像もつかない古代遺跡である可能性が考えられるのである…」

 

ここまで読んだ方で、それ、ロバート・ボーバルの説と似ていると感じたならさすがである。たしかにボーバルの本もそれなりに面白い。
これを書くにあたり、ロバート・ボーバルのオリオン・ミステリーを引っ張り出して読んでみたら、やっぱり、質量・体積のことには言及していない。
純粋にシリウス、惑星のことしか言ってない。三大ピラミッドの並びの場所がオリオン座を示していると。

だが、不思議に感じるのは各惑星の質量・体積のことには気が付かなかったのかなということだ。
基本中の基本のような気がするが、皆さんはどう思われるでしょうか。
参考までに、ボーバルの本は1994年に初めて書かれていて、本書、倉橋氏の「ピラミッドに隠された天文学」は1993年に書かれている。
グラハム・ハンコックが似たようなことを言っていた記憶があるが、彼のはスフインクスの脇に雨だれの跡があってそれが1万2千年まえのものだったような気がする。