「ノストラダムスについて、掘り下げることに世界で最も成功した日本人……それは五島勉ではなかった…」 ノストラダムス予言の構造 1982 中村恵一 (著) 新思索社

ノストラダムスについては外国の物も(フランス語は読めないが)含めほとんど読んでいる。ノストラダムスは相変わらず私の中では断トツのナンバーワンである。
そう考えるに至ったのは今回取り上げる元・一橋大学の先生である中村恵一氏の本を読んだからである。

例えば予言番号の6章の35 オーストラリアとニュージーランドの発見について

リヨンの近く、白い羊毛に近づく
おひつじ、おうし、かに、しし、おとめ
火星、木星、太陽、大平原が燃える
森と町、大ろうそくの中に文字を隠す

1行目の「白い羊毛」とはオーストラリアのこと。
リヨンとは逆からよむとノワール・黒のこと 「黒のさかさま、白の近く」とは白い大陸・南極のこと。
2行目は、ふたご座が抜けている。では、ふたごとは何か?
ニュージーランドのことである。ニュージーランド島は北島と南島に分かれている。
3行目は、暑くて乾いているとの意である。
最後の行は、燭台キャンドルに、オーストラリアの首都・キャンベラが隠されているという意味だというのだ。

どうです、この予言の鮮やかさ! 解釈の見事さ!
ちなみにこの詩がオーストラリアのことを言ってるとここまで分析したのは中村氏のみ。

1章の48 「予言の終わり」 
月の支配が20年経過する 7000年、他のものが君主制を敷くだろう
太陽が引き継いでその時代をまかされるとき そのとき私の予言は成就し終わりを告げるだろう

↑月は中国  太陽は日本 

 

≪9章の1≫
小さな町の翻訳者の家で テーブルの上で文章が発見される
片目の赤くて白い白髪の者が時の移り変わりから担当する
それが新しい司令官に変わるだろう

ノストラダムスの聖予言」の著者は、この詩の解釈として、日本から新時代の指導者が現れることの予見であるとした。
この「時の移り変わり」は、1999年ではなく、21世紀に入ってしばらく時間が経過した時期だろう。

英語圏ではエリカチータムとかの評価が高いが、中村恵一氏の本を読んだ後では食い足りない。食い足りないどころか彼女、的外れなところが多い。
中村恵一氏の本を翻訳して見せてあげたいものである。歯がゆい思いでいっぱいになる。ノストラダムスを語らせたら中村氏の右に出る者はいない。
日本人がノストラダムスを極めた!
そう言い切っていいと思う。

 

併せて読みたい ノストラダムスの聖予言―私はついに1999年以後の人類の運命を解読した! 1983/9/1中村 恵一 (著) 集英社